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労務コンプライアンス

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労働判例・裁判例

裁判例【高裁:井関松山製造所事件】有期と無期の賞与・各手当の支給の相違と労働契約法第20条違反の有無

<賞与>
正社員・・・平均36~39万円を支給
契約社員・・・一律5万円の寸志を支給

<手当>
正社員・・・家族手当・住宅手当・精勤手当を支給
契約社員・・・支給なし

<判決のポイント>
賞与・・・合理性あり 長期雇用を前提とする正社員に対し、賞与の支給を手厚くすることにより有為な人材の獲得・定着を図ること、有期雇用労働者は負うべき職務責任の範囲が異なり、正社員への中途採用制度もあり地位が固定的ではない

手当・・・不合理
それぞれの手当の趣旨に沿った要件の下に明確な支給基準が賃金規程等で定められ、一定額が支給されるものであり賞与とは異なり、使用者に裁量がないことから人事政策上の配慮等の必要性は認められない

<実務上のポイント>
働き方が多様化する現代社員においては、例えば精勤手当については、フルタイムと短時間の間で、時間による按分を行うことは認められるのでないかと思われるので、各手当についての趣旨を細部について見直す。

裁判例 【地裁:学校法人近畿大学事件)】育児休業取得を理由とする昇給等未実施の不法行為該当性

<育児休業をした講師に対する昇給>
毎年4月の定期昇給につき、直近12ヶ月のうち育児休業期間が5ヶ月含まれていたため、昇給を実施しなかった。

<判決のポイント>
育介法10条に違反し、不法行為
定期昇給は在籍年数の経過により一律に実施されるものであり、年功賃金的な考えを原則としたものといえる。前の1年間のうち一部でも育児休業をした職員に対し、当該年度にかかる昇給の機会を一切与えないとすることは、定期昇給の趣旨と整合せず、「不利益な取り扱い」に該当する。

<実務上のポイント>
現に就労した労働者との差をどこまで許容されるかまでは明らかになっていないため、1年であれば、6ヶ月以上の出勤期間があれば、対象としておいた方が良いと思われる。

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